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二部授業の実際

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 このような児童数の膨張にともない、市は学校新設に取り組んだが、それでも児童数の増大には追いつかなかった。表7は、昭和二十二年から四十七年までの白石小学校在籍児童数の変遷と、それに伴う校舎の増改築・転用、そして二部授業の実施状況を示したものである。この表をみると、とくに三十年代は、近隣に新しい学校が新設されつつも、校舎の増築を繰り返し、さらに特別教室を普通教室に転用している様子がわかる。さらに三十年代前半には二部授業も行われていた。児童向けに書かれた『しろいし』(開校九十周年記念誌)には、二部授業の実際の様子が次のように記されている。
一日の中で、朝八時まで学校にくる学年と、十時ごろまで学校にくる学年と二つにわかれて勉強するのです。それでも一学級七十名をこえ、多い学級では、八十二名もいたので、冬になって、ストーブをとりつけると、足のふみ場もないくらいでした。(中略)教室のすみの席にすわらなければならないので、黒板の字が見えないくらいでした。

表-7 白石小学校在籍児童数の変遷
年度学級数児童数
( )内1学級平均人数
新設校への移籍校舎増築他教室の転用二部授業の実施
2212 659(55)
2313 726(55)
2415 811(54)
2517 863(51)4教室
2618 902(50)東園小へ57名
2718 869(48)
2818 917(48)
29191,063(56)1教室
30221,111(51)4教室
31241,272(53)
32291,583(55)6教室
33351,958(56)本郷小へ326名
34372,084(56)本郷小へ549名
35331,708(52)6教室
36331,905(58)1教室
37342,082(61)南郷小へ295名2教室
38331,931(59)本通小へ288名
39331,924(58)東札幌小へ50名2教室
40331,960(59)北郷小へ644名2教室
41291,218(42)
42291,215(42)
43291,249(43)
44311,283(41)
45341,333(39)2教室(→プレハブ教室)
46371,393(38)2教室(→プレハブ教室)
47381,436(38)
『白石百年』(昭48)より作成。

 また、新設校ができた場合の移籍は年度途中に行われることが多いため、クラス替えが行われ「受け持ちの先生や友だちが一年に二回もかわるというこまったことがおこりました」という記述もある。三十二年四月一日現在で、市内の小学校の一一校が二部授業をおこなっていた。白石小学校の二部授業は、三十五年九月、北校舎六教室の増築によって解消した。白石小学校では二十四日に二部授業解消祝賀の会を開催した。
 しかしその後も周辺部の社会増による人口増加は続き、中学校の教室不足や二部授業も重なった。市では三十八年と四十三年に、札幌市学校建築五カ年計画を策定・実施した。