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『水輪』『北方俳句人』

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 昭和二十一年二月創刊の『水輪』は戦前から新興俳句運動を推進した高橋貞俊が創刊した。土岐錬太郎の『アカシヤ』、斎藤玄の『』と並んで北海道俳壇に新風を吹き込んだ。園田夢蒼花、十勝の豊頃に入植していた細谷源二、『』から斎藤玄角野良雄らも同人に加わり、その後も寺田京子や木村蒼花(敏男)、川端麟太なども加わり中央の有名俳人も作品を寄せるなどして二十六年三月まで三八冊を刊行した。『北方俳句人』は二十三年三月に細谷源二の主宰で創刊された。この俳誌から育った者に山田緑光川端麟太富岡木之介などがいる。俳句を骨董文学の遊びから切り離し生活の詩として立て直そうとした。二十四年五月まで一一冊を刊行した。その年の十月、『氷原帯』と改題し深沢伸二、評論家の中村還一、新興俳句の園田夢蒼花らの支持を得て北海道俳壇に新しい流れを作った。