新教団の多くは、戦前期に創唱・創設されたものが多い。その中で札幌にも教会、信徒組織をもっていたのはパーフェクトリバティー(略称、PL教団)、生長の家、八大龍王大自然愛信教団であった。
PL教団はもと、ひとのみち教団であり、札幌にもかつて教会があったが、昭和十二年に政府より解散を命じられていた。創設者の御木徳近によって二十一年に再び立教が宣言され、信者たちによっていちはやく二十二年六月十九日に、札幌支所が設立されていた(札幌市史資料 宗教)。そして二十八年に札幌教会、二十九年に豊平教会が宗教法人の設立を行っている(北海道宗教法人名簿)。
生長の家は創設者である谷口雅春の『生命の実相』などの著書、及び光明思想普及会発行の『生長の家』『行』『白鳩』『光の泉』などの雑誌を購読して修養する団体であったが、戦前期札幌では十五年八月に、生長の家札幌誌友会相愛会として宗教結社届を出していた。会則によると「教化団体『生長の家』ノ教ヲ信奉セル誌友ノ集会」とし、会員は四四人であった(札幌宗教関係書類 昭15 道図)。会長は原田寅蔵であったが、寅蔵は十二年四月に副会長に就いており(昭14・4会長)、同会の創設もこの時であったと思われる。戦後期の活動は不明であるが、生長の家北海道統轄教化部は二十八年に宗教法人の設立を行っていた。三十年八月に谷口雅春が来札し、「思想救国、平和大運動」の集会が開催されている(昭31道年鑑)。
八大龍王大自然愛信教団は石川センにより創唱され、宇宙創造の神八大竜王教の理法を説くものであり、昭和十年に愛信会として創設され、本部は岩見沢であった。十二年に神道大教に所属し、札幌にも十五年五月に神道大教八大龍神講社として、南五条西一五丁目に布教所設置の結社届けがなされていた。戦後は二十三年に八大龍王大自然愛信教団となり、札幌西教会が二十八年に宗教法人の設立を行っている。