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国際交流と国際都市

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 札幌市は昭和三十四年十一月十七日にアメリカ・ポートランド市と初めて姉妹都市提携を結び、官民一体の交流を続けてきた。現在、ポートランド市の民間団体と交流をもつ市内の団体・機関は、九八に及んでいる(札幌市の国際交流 平15)。
 その後、冬季オリンピック開催を機縁に、ミュンヘン市とも四十七年八月二十八日に結ぶことになるが、札幌市は四十五年の札幌市長期総合計画にて「北方圏の拠点都市をめざす」とし、「経済、学術、文化、スポーツ等広い分野にわたって北方圏諸国との交流機能の充実をはかり、北方圏における拠点的役割を果た」すと、北方圏拠点都市をうたっていた。この時期、北海道も北方圏との交流を開始し、四十九年九月十七日(~十九日)に気候風土が似ている北方圏の六カ国(日本・アメリカ・カナダ・フィンランド・ノルウェー・スウェーデン)、一九地域の代表が参加した北方圏環境会議を開催し、「相互協力して豊かな北方圏を建設する」という「北海道宣言」を採択していた(道新 昭49・9・20)。
 北方圏への志向は、五十五年十一月十八日に中国・瀋陽市との友好都市の提携に結びつき、五十六年に札幌市では北方都市会議を提唱し、第一回の北方都市会議が六カ国九都市が参加して五十七年二月七日に札幌で開催となった。第二回は六十年に瀋陽市にて開かれ、現在北方都市市長会議として継承され、二年に一度の開催となっている(一〇カ国一九都市が会員都市、平16から世界冬の都市市長会、概要 平15)。
 この北方圏の諸国・都市との交流は民間にも波及し、北海道フィンランド協会(昭51・12・24設立)、北海道スウェーデン協会(昭53・4・28)、北海道カナダ協会(昭54・3・22)、北海道ノルウェー協会(昭58・9・12)などが設立されるようになった。道でも北方圏センターを五十七年一月二十八日に設置し、第一回北方圏さっぽろフェスティバルも、五十九年七月二十八日に開幕していた。
 以上の交流だけではなく、札幌、北海道へも外国からの観光客が五十年代より増加していく。香港からの雪まつり見物の観光団が初めて来たのは五十一年であったが、次第に増え五十五年の外国人観光客は一万人を超えていた(観光白書 昭55年度版)。平成に入ると二年三月に第二回アジア冬季競技大会、三年三月にユニバーシアード冬季大会という、冬季オリンピック以来の世界規模の大会も開かれるようになっていた。雪まつり人気も東アジア諸国では次第に高まり、外国人観光客は九年の約九万四〇〇〇人から十年は約一六万人、十一年は約二〇万人へとこの両年で急激に伸びていた(札幌の観光 平成14年度版)。札幌は国際観光都市としても、確かな地位を保ち得るようになってきていた。
 外国人登録者数は四十六年が二五〇〇人、五十二年に三〇〇〇人、六十二年に四〇〇〇人、平成三年に五〇〇〇人、五年に六〇〇〇人、十一年に七〇〇〇人、十三年に八〇〇〇人という推移を示しており(統計書)、ここ数年留学生も増加している。「札幌を拠点に活動する国際交流・協力団体」は一八四団体を数えており、札幌は明らかに国際都市へと移行しつつある。今後も日常的な市民レベル、民間レベルでの国際交流がいっそう盛んとなり、札幌から世界へ向けてのさまざまな発信が期待されてくる。