札幌市長選でも道知事選でも保守候補の推薦政党として自民党に民社党が加わった。原田市長三選時にも民社党が推薦したが、板垣初当選時はまた自民党単独推薦にもどっていた。今回、自民党は民社党と連携する保守中道連合によって市長選に勝利できたといえる。社会党の勢力は停滞しており、革新共闘もきしみを見せ始めていた。公明党が顕著な伸びを見せ、それと共産党の一定の前進は、野党内での相対的な勢力変動を引き起こしつつあった。前回の統一地方選挙が革新勢力の伸張による保革伯仲の頂点にあったとすれば、今回は依然として保革対立の構図を取りながらも、保守中道連合の成立や革新共闘の内的変化など、その水面下では対立構図の変質が始まった選挙であった。