同時に実施された道知事選では、現職で自民・民社・新自由クラブ推薦の堂垣内尚弘と、社会・共産・社会民主連合・革新自由連合推薦、公明支持の五十嵐広三が立候補し、前回と同じ候補者による対決となった。結果は、堂垣内一七三万二三七四票、五十嵐一三一万二三三票で、前回を上回る四〇万票を超える得票差で堂垣内が三選を果たした。札幌市での両候補の得票は、堂垣内三八万九九八七票、五十嵐二八万五二六九票で、保守系候補が前回の九万票を上回る一〇万票以上の差をつけた。
道議選(定数一〇五)の結果は自民五八、社会二八、公明五、共産二、無所属一二で、前回に比べて自民、社会が一増、公明が一減となった。札幌市の定数は三名増の二一で、結果は自民一〇、社会七、公明二、無所属二で、社会党の一増となった。
公明党は道知事選では革新候補を推したが、札幌市長選では保守候補を推す「クロス選挙」(道新 昭54・4・5)という方針を取った。公明党の路線転換が現われたのが、今回の統一地方選挙の特徴であった。また社会党も変化し始め、翌五十五年一月、中央でいわゆる社公合意が結ばれる。今回は道知事選、札幌市長選とも社共共闘が実現したが、これ以後社共共闘は困難になる。