同時に実施された道知事選では、社会党・革新自由連合推薦の前衆院議員横路孝弘(北海道一区、社会党)、自民・公明・民社・新自由クラブ・社会民主連合推薦の前道副知事三上顕一郎、共産党推薦の広谷陸男の新人三名が立候補した。公明党は今回、知事選でも保守系候補についた。また二〇年ぶりに知事選で社共共闘が崩れた。
結果は、横路一五九万七五九〇票、三上一五二万六二三〇票、広谷一三万六六二九票で、横路が初当選した。六期続いた保守道政が終わり、革新が二四年ぶりに道政を奪還した。
保守陣営は「企業ぐるみ」や「道庁マシーン」、道同盟を動員した選挙を行ったが、横路が札幌市内で九万八〇〇〇票差をつけるなど、得票を伸ばしたのは、横路の「スター的な要素」に加えて、若者の中から生まれた勝手連による役割が大きかった。「横路孝弘と勝手に連帯する若者連合」が最初に旗揚げされ、これに呼応して全道に勝手連が広がり、札幌では「ススキノ勝手連」など複数の勝手連が生まれた(道新 昭58・4・11)。横路陣営は労組による運動に加えて、勝手連やボランティアの主婦、老人など、既存組織に属さない市民が支援する市民運動型選挙によって支持を広げたとされる(道新 昭58・4・12)。
道議選(定数一一〇)の結果は自民五二、社会二九、公明六、共産一、無所属二二で、改選前に比べて自民四減、社会二増、公明一増、共産一減となった。札幌市では全体で四議席の定数増で選挙が行われ、自民が三増の一三議席、社会が一増の七議席、公明も一増の三議席、共産と無所属はそれぞれ一減の一議席となった。