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イベント行政と経費負担

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 札幌市が以上のような新しい都市づくりを進めていくにあたって、積極的にイベントを活用したことは大きな特色であった。「'86さっぽろ花と緑の博覧会」(昭61)や札幌芸術の森オープンを記念した「芸術のまち・さっぽろ'86」(昭61)、PMF(平2~)、第一回冬季アジア競技大会(昭61)、第二回同大会(平2)、ユニバーシアード冬季大会(平3)といった芸術祭やスポーツ大会、音楽祭が開催された。これに加えて、札幌国際見本市(昭59~)などのコンベンション誘致の推進が図られ、以前からの札幌雪まつりやライラックまつりなどと合わせて、札幌では多彩な催しが行われ、市民の目を楽しませるとともに、内外からの観光客を大量に呼び寄せた。
 イベントは市の支出の他に、民間企業の寄付金・協賛金と入場料などの料金収入に多くを依存しようとした。「'86さっぽろ花と緑の博覧会」は二億六八七五万円の黒字を生んだが、第一回冬季アジア競技大会は民間企業の協賛が十分に得られず、収支決算は大幅赤字となった(十六期小史)。道が中心に企画した「世界・食の祭典」(昭63)では業界の寄付金・協賛金が少なく、入場者も見込みを大幅に下回ったために、九〇億円の赤字となった。赤字処理のために道は職員削減と道費二三億円の負担を決定した。札幌市は「財団法人食の祭典委員会」に運営補助金等七五〇〇万円を支出し、市長を財団副会長としていたため、財団へ三年間無利子で二〇億円を単年度ごとに貸付けることを強いられた(十七期小史)。