第四次長期総合計画は、目標年次を平成三十二年(二〇二〇)、想定人口は二〇五万人から二一〇万人とし、これまでに引き続き「北方圏の拠点都市」、「新しい時代に対応した生活都市」の二つを目指すべき都市像として掲げた。二一世紀の札幌のまちづくりの基本的な方向は、「市民一人ひとりの暮らしの充実とそれを支えるまちづくり」と「環境と調和した活力と創造性に富んだまちづくり」の二つにおき、①自立と支え合いの地域社会づくり、②質の高い暮らしを実現する生活環境の創出、③暮らしの安全と安心の保障、④活力ある都市活動の維持・創出、⑤市民の創造性を伸ばす環境づくり、⑥生きいきとした都市生活の実現、の六つを計画目標とした。
計画の展開にあたっては、①パートナーシップ型まちづくりの展開、②地域のまちづくりの推進、③広域的連携の推進、④都市経営基盤の確立と自律性のある行財政運営の推進、⑤総合的、弾力的な計画の推進、の五つを方針とした。市民の意識やライフスタイルが多様化する中、行政が提供できるサービスだけでは豊かな市民生活を実現することは困難であり、市民・企業・行政がまちづくりにおけるそれぞれの役割を認識し、連携・協働することが、社会的なニーズにきめ細かくこたえることになるとともに、活力ある都市活動を生み、市民一人ひとりの生活をゆたかにするとされ、こうした市民・企業・行政が連携・協働するまちづくり、「パートナーシップ型まちづくり」を計画は前面に掲げている。
重点施策として、①ゆたかな自然と調和した都市環境を形成する(オープンスペースの確保、水環境への負荷低減、ゼロエミッション都市、うるおいと文化の香り高い都心など)、②北の風土特性を生かし都市機能を強化する(風土特性を生かした産業振興と研究開発機能の強化、多中心核都市構造、環境負荷の少ない交通体系と地域雪処理体制、ユニバーサルデザインによる都市空間など)、③世界を結ぶ創造的な都市活動を活発化する(芸術文化交流とスポーツ振興、市民主体の国際交流・協力、冬のエネルギー消費削減などの研究、集客交流産業振興、グローバルな経済交流・企業活動の促進など)、の三つが掲げられた。