ビューア該当ページ

都市づくりの争点

91 ~ 92 / 1053ページ
 札幌市は社会経済情勢の変化の下、より一層の行財政改革に取り組みつつ、大規模施設等の整備も引き続き大胆に推進していった。地下鉄は膨大な建設負債を抱えつつも、平成六年十月東豊線延長を、十一年二月東西線延長を完成させた。札幌ドームは十年六月着工、十三年六月にオープンさせた。全天候型施設・コミュニティドーム「つどーむ」は九年六月に完成し、札幌コンベンションセンターは十三年二月着工、十五年六月に落成した。
 「札幌市基本構想」改定案を審議した九年市議会第四回定例会で、共産党は「パートナーシップ」や「自立と支え合い」といった表現は市民負担の強化を求めるもので、開発優先都市政策の転換が必要と批判し、市民ネットは行政の情報公開と政策形成過程の市民参加が不十分で、NPOとの連携や環境政策を明確に位置づけるべきと主張した(十九期小史)。
 共産党は十二年市議会第四回定例会で、コンベンションセンター建設案についてその建設費一五〇億円の八六パーセント、一二九億円、用地取得費五六億円の九〇パーセント、五一億円を市債で賄おうとする、計一八〇億円もの借金による事業は思い切って見直すべきと批判した。
 また篠路地区住宅団地、新川地区・米里北地区工業団地札幌ハイテクヒル真栄、大谷地新卸売業務団地、札幌アートヴィレッジの六団地が造成・分譲されたが、いずれも完売が困難であったため、市は販売価格を減額し、また「まちづくり推進基金」を活用して未分譲地を買い取った。これについて、十一年市議会第三回定例会で民主党から市議会承認無しの価格変更の問題が指摘され、市は陳謝した。共産党は同市議会から十四年市議会にかけて、多額の売却損の発生により公園、学校などの都市施設整備に活用すべき「まちづくり推進基金」に大穴が空けられたと責任追及を行った(以上、二十期小史)。