札幌市では昭和四十六年(一九七一)から、都心から二~四キロメートルの環状通内において、生活環境、都市機能、都市防災について現況を調査検討し、再開発などの対策を必要とする地区を一八地区選定した(概要 昭50)。一方民間組合施行の候補地として四十七年には二条市場周辺地区、四十八年には地下鉄琴似駅周辺地区を取り上げ、基本計画を作成し、その費用の補助制度を定めた。さらに五十五年には街づくり促進助成制度を設け、住民が積極的に街づくりを進めようという団体に、啓発普及や調査研究などの経費の一部を補助するようにした(概要 昭58)。
都市再開発法にもとづく事業は、北海道庁西地区市街地再開発事業(昭51~53)、五十五年に都市計画決定し、五十七年に完成した一条橋周辺二・六地区市街地再開発事業、その他北四西五南地区再開発事業(個人施行)、豊平三・三地区市街地再開発事業(組合施行)などがある(概要 昭58)。
写真-3 豊平橋南地区の再開発事業で出来たホテル
五十年代になると既成市街地の再整備が量的にも拡大し、さらに公共施設整備主導から住環境設備中心へと重点が変化し、さらにこれまで以上に住民の意向を十分取り入れることなど、再開発に関する諸制度を統合・体系化して総合的な再開発に取り組む必要性が生まれた。そのため地区整備基本計画策定のなかで、再開発事業を踏まえた計画を策定するようになった。それらの事例として国鉄札幌駅周辺地区、豊平川右岸地区と左岸地区などがある(概要 昭54、58)。