札幌市が、外国の都市との交流を深めはじめたのは、昭和三十四年(一九五九)ポートランドと姉妹都市提携してからである(市史5上)。その後、四十二年ドイツのミュンヘンと札幌市が、四十七年に開催される夏と冬のオリンピックの開催地となったことから、ミュンヘン市長から親友都市になろうという提案があり、交流が深められた。札幌オリンピックで来札したミュンヘン市長から、姉妹都市提携の申し入れがあり、四十七年八月二十八日ミュンヘン市庁舎でミュンヘンと札幌の両市長が姉妹都市提携盟約書に調印した。ミュンヘンでは、その記念としてオリンピックパークへの通りを「サッポロ通り」と名付け、札幌では旭山公園に「ミュンヘンの森」をつくり、ドイツトーヒやシナノキなどを植樹した(概要 昭48)。
五十四年五月、中日友好の船一行の来札を契機に、共通点の多い瀋陽市との提携を進めることになった。五十五年七月には札幌市の関係者が瀋陽市を訪問し、意思の疎通を図り、十月には市議会本会議で友好都市提携を決議した。同月には札幌市の助役を団長とする先遣団が瀋陽市を訪問し、交流計画などについて打ち合わせ、十一月瀋陽市長など使節団が来札して、友好都市提携の調印式を行った(概要 昭56)。
四十九年札幌市で開催された大シベリア博にソ連のノボシビルスクが参加したのを契機に、芸術・文化、スポーツ、青年交流などのさまざまな分野で交流を積み重ねてきたことを背景として、五十四年五月札幌市議会で札幌とノボシビルスクとの友好促進が決議された。翌年三月には札幌市議会で、四月にはノボシビルスク市議会でも姉妹提携が承認され、六月ノボシビルスク市長一行を札幌に迎えて姉妹提携調印を行った(札幌市総務局国際部 札幌市の国際交流 平成四年版、以下「国際交流 平4」と略す)。
ポートランド市とは、毎年英語弁論大会での成績優秀者を相互に派遣している。その他にも姉妹校や各種姉妹団体間で活発な交流を展開している。ミュンヘン市とは、芸術・文化やスポーツの分野で活発に交流を行い、毎年ドイツ語暗唱大会を開催している。瀋陽市とは、医学、水道、都市建設などの分野で、瀋陽からの専門技術者の受け入れ、札幌からの技術者派遣など、特色ある交流をすすめている。ノボシビルスク市とは、特に音楽、バレエ、演劇などの芸術文化、スポーツの分野で盛んに交流している。さらにノボシビルスク市にロシア科学アカデミーのシベリア支部があることから、札幌の研究機関と環境学、地質学、考古学、教育学、経済学などの分野で学術交流を行っている(国際交流 平10)。また二都市間だけでなく、五都市間の交流もすすめ、ジュニアスポーツ交流や少年女性交流、国際見本市などを行っている(概要 平12)。教育、科学、芸術、体育、経済、技術の分野で総合的な交流事業などのために、六十一年四月に札幌姉妹都市協会が設立され、さまざまな交流事業を推進している(国際交流 平10)。
姉妹・友好都市とは、提携後五年ごとに、両市で記念事業を行うとともに、記念誌を発行している(概要 平9)。