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収入金額からみた傾向

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 さらに表24で収入金額の推移をみると、医療・衛生・福祉関連が平成不況下でも成長をとげたことが顕著である。収入金額は約四倍になり、総額に占める割合も一一・九パーセントから二五・二パーセントへと増大した。四章一節一項では全産業のなかでサービス業だけが一貫して比率を拡大させたことを明らかにしたが、その拡大を支えていたのが医療・衛生・福祉関連の躍進だったのである。
     表-24 サービス業収入金額(単位:百万円)
平1総数に占める割合
(%)
11総数に占める割合
(%)
総数2,419,6431004,612,953100
知識関連サービス業322,11413.3636,87813.8
生活関連サービス業200,8868.3604,10113.1
趣味・娯楽関連サービス業371,48215.4993,06221.5
医療・衛生・福祉関連サービス業288,79111.91,160,87325.2
事業所関連サービス業442,17018.3779,31616.9
その他のサービス業851,24535.2570,64912.4
『札幌市統計書 平成14年版』より作成。

 これに次いで収入金額を増大させたのが趣味・娯楽関連であり、収入金額は約三倍にふくらんだ。この時期とくに成長が著しかったのが娯楽業であるが、パチンコ業界は巨大産業へと発展し、カラオケボックス業の急成長と映画・ボウリング・ゲームセンターなどの複合化によって高い収益を上げるに至った。
 生活関連は約三倍に伸びてはいるものの、中小零細業者に支えられているため経済効果は小さく、総額に占める割合はその他を除く五分野中では最も低い。
 知識関連では昭和六十一年から平成三年にかけて急増した土木建築サービス業がその後は減少し、個人教授所も三年以降は停滞傾向にあり、総額に占める割合もほぼ変化がみられなかった。
 一方、唯一総額に占める割合を低下させたのが事業所関連である。バブル経済の崩壊から平成不況の下で、企業が一部業務を外注することを手控えるようになった結果であり、経済不況の影響を最も強く受けた分野といえる。