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リース業

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 事業所関連サービス業の成長の要因は、石油ショックで減量経営を余儀なくされた企業が合理化のひとつとして業務を外注したことにある。リース業もまた、企業が手持ちの資金を別途運用できるとあって、とくに昭和四十五年以降にリースを利用する企業が増えた。道内企業のリースの導入は四十四年以前が一九・七パーセントだったのに対して、四十五年から五十年では七九・一パーセントと急増している(道新 昭51・11・23)。
 札幌に本社を持つリース会社は三十九年に設立した北海道リース(北海道銀行系)が最も古く、四十一年にエスコリース(北海道拓殖銀行系)が設立された。またメーカー系列のリース会社には中道リース(昭47設立)、イワクラリース(昭47設立)、栗林リースがあり(道新 昭54・7・25)、五十三年度にはこのほかに道外のリース会社一六社が札幌に出張所を開設していた。五十五年七月にエスコリースイワクラリースを吸収合併し(道新 昭55・4・15)、五十九年には建設機械販売のユニコが、銀行などの後ろ盾を持たない独立系のリース企業として、ユニコリース(平11・5ユニコ・コーポレーションに社名変更)を設立している(道新 平7・6・7)。
 おもな利用物件は事務機器をはじめとして動力機械、通信機、医療機器等であり、五十四年度の道内リース事業の契約高は前年度比で一四九・〇パーセントと大幅な伸びを示した(道新 昭55・7・9)。しかしリース業界は新規参入が相次ぎ、過当競争によるリース料の低下から、その対応策としてリース契約の比率を小さくする一方で、貸し金業務を増大させていく(道新 昭59・11・3)。その結果、五十年代後半の長引く景気の低迷にあって、一件あたりの契約高が小口化するにもかかわらず、リース業全体では高成長を続けるのである(表31)。
表-31 産業用・事務用機械器具賃貸業の状況
事業所数年間売上高
(百万円)
事業所数年間売上高
(百万円)
昭606360,205平 573165,632
 617476,752  672175,938
 627588,230  780176,714
 6379101,201  888185,145
平 181114,311  986186,680
  279123,729 10100192,359
  369136,666 1196178,077
  472151,353 12105197,544
『札幌市統計書』より作成。

 昭和六十年代に発生したエスコリースのECC(イージーキャピタルアンドコンサルタンツ 本社・大阪)への過剰融資問題は拓銀の腐敗体質を増長させ、多額の不良債権を作る源流となったといわれるが(道新 平13・3・29)、北海道リースもまたバブル期に株式投資・不動産融資などの財テクに傾倒し、その後の株価急落で業績を悪化させていた(道新 平12・9・28)。その後は、リース業界は本業回帰の志向を強め、新商品を開発したり新分野に参入するなどして、リース本業の収益源の多様化に努めている(道新 平4・12・17)。