札幌に本社を持つリース会社は三十九年に設立した北海道リース(北海道銀行系)が最も古く、四十一年にエスコリース(北海道拓殖銀行系)が設立された。またメーカー系列のリース会社には中道リース(昭47設立)、イワクラリース(昭47設立)、栗林リースがあり(道新 昭54・7・25)、五十三年度にはこのほかに道外のリース会社一六社が札幌に出張所を開設していた。五十五年七月にエスコリースがイワクラリースを吸収合併し(道新 昭55・4・15)、五十九年には建設機械販売のユニコが、銀行などの後ろ盾を持たない独立系のリース企業として、ユニコリース(平11・5ユニコ・コーポレーションに社名変更)を設立している(道新 平7・6・7)。
おもな利用物件は事務機器をはじめとして動力機械、通信機、医療機器等であり、五十四年度の道内リース事業の契約高は前年度比で一四九・〇パーセントと大幅な伸びを示した(道新 昭55・7・9)。しかしリース業界は新規参入が相次ぎ、過当競争によるリース料の低下から、その対応策としてリース契約の比率を小さくする一方で、貸し金業務を増大させていく(道新 昭59・11・3)。その結果、五十年代後半の長引く景気の低迷にあって、一件あたりの契約高が小口化するにもかかわらず、リース業全体では高成長を続けるのである(表31)。
表-31 産業用・事務用機械器具賃貸業の状況 |
年 | 事業所数 | 年間売上高 (百万円) | 年 | 事業所数 | 年間売上高 (百万円) |
昭60 | 63 | 60,205 | 平 5 | 73 | 165,632 |
61 | 74 | 76,752 | 6 | 72 | 175,938 |
62 | 75 | 88,230 | 7 | 80 | 176,714 |
63 | 79 | 101,201 | 8 | 88 | 185,145 |
平 1 | 81 | 114,311 | 9 | 86 | 186,680 |
2 | 79 | 123,729 | 10 | 100 | 192,359 |
3 | 69 | 136,666 | 11 | 96 | 178,077 |
4 | 72 | 151,353 | 12 | 105 | 197,544 |
『札幌市統計書』より作成。 |
昭和六十年代に発生したエスコリースのECC(イージーキャピタルアンドコンサルタンツ 本社・大阪)への過剰融資問題は拓銀の腐敗体質を増長させ、多額の不良債権を作る源流となったといわれるが(道新 平13・3・29)、北海道リースもまたバブル期に株式投資・不動産融資などの財テクに傾倒し、その後の株価急落で業績を悪化させていた(道新 平12・9・28)。その後は、リース業界は本業回帰の志向を強め、新商品を開発したり新分野に参入するなどして、リース本業の収益源の多様化に努めている(道新 平4・12・17)。