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雇用労働者の札幌圏一極集中

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 昭和四十五年(一九七〇)に一〇〇万を超えた札幌市の人口は、五年間でさらに二三万人増と過去最大の増加数を記録した。五十年代に入ると伸び率は停滞したが、昭和六十年から平成二年(一九九〇)に北海道の国勢調査人口が初めて減少するなかで、札幌市では、この間にも約一三万人増加して十二年の全道総人口に占める割合は三二パーセントとなった(表20)。そのうち、六十五歳以上の高齢者が昭和四十五年に比較して五・六倍になったが(統計書)、就業者数も一・八倍になり全道に占める割合は三一・二パーセント、うち雇用労働者数では三三パーセントを占めるに至った。産業別割合は、第一次、第二次産業が四十五年以降も低下し、もともと高率であった第三次産業が、就業者全体の伸びを上回り八〇パーセントを占める。なかでも医療・教育を含むサービス業が実数でも二・八倍に増加して平成十二年には商業を抜いて最多となったほか、卸売・小売業、飲食店就業者数も一・七倍と全道に占める割合が三八パーセント台になった。背景には、経済の中枢機能集積を背景として戦後一貫して増加を続けた事業所数の増加がある。オイルショックを挟む昭和四十七年から同五十年の間にも一三・七パーセントの伸びを示し、五十年から五十三年には一八パーセントと増加幅が拡大した(概要)。五十三年から六十一年には企業の減量経営や個人消費の伸び悩み、六十一年以降は景気の大幅な後退で伸び率は鈍化したが、平成八年における市内の事業所数は民間と官公営、公務を合わせて八万を超え、産業別では卸・小売、飲食店とサービス業の二産業のみで全事業所の七〇パーセントを占めている(表21)。
表-20 札幌市の産業別就業者数及び雇用者数と全道に占める割合
区分昭45昭55平2平12
実数
  (人)
全道に占める割合(%)実数
  (人)
全道に占める割合(%)実数
  (人)
全道に占める割合(%)実数
  (人)
全道に占める割合(%)
総人口1,010,12317.91,401,75725.11,671,74229.41,822,36832.0
就業者総数474,65319.3631,81424.4784,62529.1851,06031.2
農・林・漁業12,0642.37,3982.15,1161.83,7891.7
鉱業1,6653.11,1290.47907.862010.7
建設業62,53023.289,32225.7101,38638.399,33929.2
製造業61,25220.060,33721.163,44125.457,81922.5
運輸通信・電気ガス水道業46,22222.258,05426.564,49132.270,52834.4
卸売・小売業、飲食店140,41328.1198,49232.6232,17836.7241,68738.2
金融・保険、不動産業22,53137.034,63639.847,90045.044,45546.8
サービス業99,49823.7150,44728.6228,18833.7279,51534.9
公務28,23122.231,19421.934,03523.135,24823.7
分類不能22120.680567.37,10073.718,05062.5
うち雇用者数375,59822.7631,81426.9646,88731.9714,19833.1
『国勢調査報告書』(各年10月1日現在)より作成。

表-21 札幌市の産業別事業所数及び1事業所平均従業者数の推移
区分昭47昭53昭61平8
事業所数事業所平均
従業者数
事業所数事業所平均
従業者数
事業所数事業所平均
従業者数
事業所数事業所平均
従業者数
総数49,50910.566,4359.578,7689.482,79411.3
農・林・漁業8716.515718.210015.34720.0
鉱業5015.84227.64919.92829.4
建設業3,29122.94,86917.66,25814.07,57913.7
製造業2,97920.03,34516.63,72214.83,43816.8
電気ガス水道業6442.56960.06669.17167.8
運輸・通信業1,05541.61,52335.52,02027.52,34128.2
卸売・小売業、飲食店23,4567.431,1737.136,0807.036,0398.9
金融・保険業70626.91,04623.51,37623.41,77419.4
不動産業7,6051.710,6981.811,2632.39,0712.9
サービス業10,02810.113,28210.217,57610.822,13513.0
公務188147.3231127.7256117.8271120.0
『札幌市統計書』より作成。原資料は総務省統計局「事業所・企業統計調査」。事業所数は民営・官公営を合わせた数値。

 一方、事業所の従業員規模をみると、昭和二十年代に七人台だった一事業所あたり従業者数は、三十五年から四十四年まで一一人台に微増した(統計書)。四十七年以降は一〇人前後で推移し、事業所数で最多の商業では七人から八人台、サービス業が一〇人台から平成八年に一三人となっているが(表21)、サービス業には官公営(医療、保険・福祉、教育機関など)が含まれ、民営に限ると一〇人台となる。平成十一年の民営事業所では、従業者規模一〇人未満の事業所が全体の七七・九パーセント、三〇人未満では九四パーセントにも達し、一〇〇人以上規模は全体の一・二パーセント、三〇〇人以上規模ではわずか〇・二パーセントに過ぎない。従業者総数のうち半数の五〇・一パーセントが、三〇人未満規模の従業者ということになる(表22)。
表-22 平成11年札幌市の産業別・従業者規模別民営事業所数
区分民営事業所数従業者数1事業所平均従業者数1~
9人
10~
29人
30~
99人
100~
299人
300人
以上
総数75,913771,41410.259,13912,1613,721747145
農・林・漁業3844511.72972
鉱業2452121.713641
建設業6,83985,25812.54,4061,907457627
製造業2,95149,25716.71,9266892685711
電気ガス水道業333,15895.7781323
運輸・通信業2,02952,70926.01,18642829510020
卸売・小売業,飲食店33,032288,8068.725,9125,4721,41521120
金融・保険業1,61730,30618.79764251673910
不動産業8,38624,1122.98,1221985394
サービス業20,964236,84211.316,5623,0211,04526670
『札幌市統計書』より作成。原資料は総務省統計局「事業所・企業統計調査」。数値は7月1日現在で、官・公営事業所及び公務を除く。