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市域の小・中学校配置の特徴

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 昭和四十七年五月一日現在で、札幌市内の人口は一〇五万六九〇八人であり、市立の小学校数は一〇六校、中学校が四七校であった。同年四月には、福岡・川崎市とともに政令指定都市になっており、日本有数の都市となっていた。札幌の都市化に対応する小・中学校の配置の特徴は、次の三点である。
 第一の特徴は都市化が都心部から四方に拡大していったため、中心部の学校が縮小され、周辺部に学校が増えていったことである。中心部がビジネス街化して居住人口が減り、市街化した札幌市の周辺部に居住地域が生まれてきた。そのため、すでに三十年代後半から中心部において児童・生徒数の減少がはじまっており、中央区で小・中学校の統合がなされていた。周辺部が急激に膨張するなかで中央区の児童・生徒数は増えず、その後、急激に児童・生徒数が減少した。そのため市では、特に児童数が減少し、平成十二年五月現在で、一学年一クラスで、各学校の学級数が六となっていた創成・豊水・大通・曙の四つの小学校の統合を図ろうとした。各学校ではPTAを中心に反対運動を起こし、市議会への陳情などを行った。結局、十六年四月に四つの小学校は統合し、資生館小学校となった。資生館とは札幌市域でもっとも早くできた学校の一つであり、その名をとったものである。資生館小は他の子ども関連施設と複合したユニークな施設の核となっている。新施設は地下一階地上五階建てで、新設の市子育て支援総合センター、しせいかん保育園、ミニ児童会館なども入っている。
 第二の特徴は、札幌の拡大が周辺町村を合併するなかでできたものであり、そこには周辺町村の小市街があり、古くからの小・中学校が存在したということである。そのため、古くからあった「母体校」である学校から分離して「子」学校ができ、さらに「孫」学校ができるという過程の中で学校数が増加していった。
 さらに第三の特徴は、周辺部を取り込みながら都市化が進む一方で、巨大な都市ゆえに交通手段や自然条件といった地域性の問題から学級数が非常に少ない「小さい学校」が存在することである。一学年で一クラスではなく、二学年で一クラスといった学級編成である「複式学級」の学校が、十五年四月現在で、市内には小学校で五校存在する。ここではまず、第二の特徴について、北区を事例にして、周辺部の人口増加および生徒数増加と中学校の新設の推移を、昭和二十年代にさかのぼってみてみる。