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特認校の教育

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 昭和五十二年度になると、複式学級をもつ小学校は五校のみとなり、中学校はなくなった。複式学級をもつ学校の多くは人間的ふれあいの深さや教育的自然環境に恵まれていることから、市は「特認校」として盤渓・有明・駒岡の三小学校を認定した。一般に児童・生徒の学校指定は、教育委員会が定めた通学区域により、地域の学校が指定される。しかし、特認入学は、保護者の希望により、趣旨を理解し、通学可能な範囲で学校の指定変更を認めるものであり、それを認められた学校を特認校と呼ぶ。特認校として、六十年度には福移小・中学校が加わり、総計小学校四校、中学校一校となった。
 特認校の教育は、各校の地域・自然環境に応じてさまざまに行われている。例えば中央区南西部に位置する盤渓小学校は、全校児童の九割以上が特認の児童であり、盤渓バスで地下鉄円山公園駅から約五・二キロメートルで所要時間が一五分程度にある学校である。発寒川の上流左股川に沿った谷あいの西野・北の沢・宮の森へ通じる三路の交点にある。自然環境を生かして、学校前の川や裏山に出かけて川魚・樹木・草花・野鳥の観察を行う「盤渓タイム(森の時間)」、体力つくりや忍耐力・協調性を育てるために全校児童が八一〇メートルの林間コースを登る「山登り」、年に二回、とくに冬は広場につくる「かまくら」で宿泊を行う「宿泊学習」などが行われている。また有明小学校でのしいたけ栽培、駒岡小学校の野草観察や巣箱かけ、学校林清掃活動、どんぐり・栗ひろいといった「駒岡活動」、福移小・中学校の小中一環教育などユニークな教育活動もなされている(特認校のしおり)。

写真-3 野外で学習する盤渓小学校の児童