障がいをもつ子どものための学校が少しずつ設立されるようになったが、学校数は少なく、教育を受ける権利が保証されているとは言い難かった。市では、軽度の障がいをもつ子どものための学級である「
特殊学級」を設置することとした。昭和四十一年には、言語障がい児のための「
特殊学級」が
大通小学校で二学級設置され、肢体不自由児のための「
特殊学級」が
美香保小学校に「
重度肢体不自由児学級」として設置された。この学級はその後、五十一年に
美香保中学校にも設置され、これら両学級は、五十八年に以下にみる市立山の手養護学校小・中学校分校(通称つぼみ学級)となる。
そのほか、
難聴児、「
病弱・身体虚弱」児、
弱視児、
情緒障がい児(自閉症児またはきわめて自閉的な児童)などの「
特殊学級」は、表4のように設置され、その後拡大していった。とくに、
情緒障がい児についてみると、
中島中学校に開設された
情緒障がい児の中学内学級設置は全道で初めてのものであった。また、院内学級としては、四十九年に
市立札幌病院平岸分院に入院加療中の児童生徒を対象にした
澄川小学校情緒障がい学級が設置され(昭和59年に平岸高台小学校に移設)、五十年には
平岸中学校情緒障がい児学級が一学級設置された。また自閉症児の専門施設である「
のぞみ学園」を、五十七年四月に
市立札幌病院平岸分院の小児特殊棟横に開設した。医療型として道内初の施設で、一八歳未満の自閉症児四〇人が入所出来る施設であった。
種類 | 開設年 | 開設場所(学級数) | 備考 |
知的障がい児 | 昭26 | 琴似小(1) | |
昭27 | 美香保中(1) | |
言語障がい児 | 昭41 | 大通小(2) | |
昭42 | 中央中(1) | |
肢体不自由児 | 昭43 | 豊水小(1) | |
昭46 | 美香保小(1) | 昭58に山の手養護学校つぼみ学級分校に昇格 |
昭50 | 美香保中(1) | 同上 |
難聴児 | 昭44 | 大通小(1) | |
昭49 | 中央中(1) | |
「病弱・身体虚弱児」 | 昭48 | 札幌病院内に創成小ひまわり分校病虚弱学級(2) | 昭62に東米里小学校に移籍 |
昭49 | 同病院内に向陵中ひまわり分校病虚弱学級(1) | 同上 |
弱視児 | 昭46 | 創成小(1) | |
昭46 | 中島中(1) | |
情緒障がい児(自閉症児または極めて自閉的な児童) | 昭47 | 大通小(1) | |
昭47 | 中島小(1) | |
昭49 | 札幌病院平岸分院に澄川小情緒障がい児学級(1) | 昭59に平岸高台小に移籍 |
昭50 | 同分院に平岸中情緒障がい児学級(1) | |
昭57 | 同分院に「のぞみ学園」 | |