婦人(のちに女性)学級は、女性の日常生活の課題を中心とする女性の継続的な学習を集団的な学習として行うことを目的として昭和三十三年度に開設され、分区後には区ごとに実施されてきた。その対象は一五人以上の女性学習グループとされ、学習時間は年八回以上、一六時間以上、開設期間は六月~翌年二月、「育成期間」は二年間、学級数は年度によって異なるが、おおむね二五~三五とされた。また個別の学級のテーマ・内容は区によって異なるが、ボランティア活動、子育て、介護・医療問題、生活の中の法律、人間関係と交流など多岐にわたっている。その学級数・受講者数の推移の概略を見ると、四十七年度…四五学級・一二四三人、六十一年度…四三学級・九二四人、平成二年度…三四学級・六九八人、八年度…二五学級・五九五人などとなっている。
さらに女性教育としては昭和四十五年度から実施されてきた婦人教育指導者養成講座(各年度五〇人前後、研修時間:四〇~五五時間、講座の構成:生涯学習と婦人の課題、学習活動・集団活動のための知識・技術、郷土の理解など)、五十一年度から実施されている婦人ボランティア活動促進事業(参加者:六十一年度…三三〇人、平成三年度…八〇人、八年度…一二九人)などを挙げることができる。
その後、女性(婦人)教育への参加者は次第に少なくなってきた。それは、一つには女性の学習機会の多様化と女性自身による積極的な参加によって、対象を女性に限った学習の機会が相対的に少なくなってきたこと、さらに家庭教育・子育てに関する学習機会がいっそう増える中で学習機会に男女の別が事実上なくなってきたこと、などによっている。