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道立文学館と道立文書館

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 北海道の文学資料の収集・保存と啓蒙・普及活動などを目的に、昭和四十二年に創設された文学団体が北海道文学館であった。四十八年に札幌市資料館内に事務所と展示室をもち、さらに五十四年三月七日に資料館の南半分の貸与を受け、「北海道文学館」としての活動が活発化するようになる。
 ただ、自前の施設ではなく制約が多かったために、道立の施設建設を求めて北海道立文学館期成会が設立され運動が行われた。道では平成二年に文学館設置検討委員会がおかれ、北海道立文学館の設置をみることとなり、場所も四年二月に中島公園内と決定した。建設は五年七月より着工して六年十二月に完成し、その後展示工事に入り、七年九月二十二日に開館記念式典、翌二十三日より一般公開となった。管理運営は北海道文学館(昭和六十三年十一月一日に財団法人化)に委託されている。
 北海道赤レンガ庁舎内にある北海道立文書館は、昭和六十年七月十五日に開館した。当時の堂垣内尚弘知事が、五十一年十月の道議会にて設置の検討を表明したこともあって、史料の保存と公開を求める研究者団体・学会などより設置の要望が高まっていた。道では五十七年三月に基本構想を決定して開設準備に入り、全国で一〇番目の公立文書館として開館にいたった(北海道立文書館開館記念誌 北海道の歴史と文書 昭60)。

写真-8 道立文書館となった北海道赤レンガ庁舎

 道立文書館には開拓使、札幌県などの貴重な簿書類、道庁などの行政文書があり、各種刊行物もそろっており、北海道の歴史研究、自治体史・郷土史の編纂には欠かせないセンター機能をもった施設となっている。また展示室をもち、赤レンガ庁舎見学者の見学コースとなっている。