写真-12 史跡指定となった琴似屯田兵屋
旧永山武四郎邸は初代屯田司令部長官、第二代道庁長官の永山武四郎の私邸であり、明治十一年に建築されていた。同邸は三菱合資会社が明治四十四年八月に買収し、昭和十二年頃には北側部分が解体されてクラブ(新棟)が建築され、同邸は貴賓室として使用されていた。その後は、三菱鉱業セメントが宿泊施設として使用していたが、市と道住宅供給公社は同邸周辺再開発事業をたて、同邸を公園とし再開発地の中心施設とする計画としていた。市では六十年から同邸の調査を行い、その結果、住宅史の上でも貴重な遺構であることが判明した。六十年九月に建物・土地の譲渡を得て、市は道文化財の申請をし、六十二年十一月二十七日に指定となった。同邸は木造平屋建て一三六平方メートルで洋間の応接室、和室三間などの和洋折衷様式である。六十三年から市によって修復工事が行われ、新棟部分は資料展示室に利用され、周辺も永山記念公園として整備されて、平成元年十一月三日より一般公開となった。