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宣教の共同

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 前述した「'97さっぽろ聖書展」の開催のように、カトリックとプロテスタントの共同活動は、一九七〇年代(昭和四十五~)以降、随所に見られた。平成九年五月には、前年第一回が北光教会で開催された「さっぽろ教会音楽祭」が、次にはカトリック北十一条教会で開催された。また、プロテスタントの信徒が昭和四十一年に始めたさっぽろ朝祷会は、隔週の月曜日の早朝に共に祈ることを目的とする集会であり、平成十六年(二〇〇四)四月に九〇〇回を数えた。この間、カトリックにも朝祷会が生まれたこともあった。また、全国朝祷会の年次大会が昭和四十八年(一九七三)七月と平成五年(一九九三)五月に札幌などで開催された。朝祷会は、カトリックとプロテスタント共同の祈りの場となっている。
 カトリックとプロテスタントとの共同が広がる一方、プロテスタントの側では、その信仰的立場を強く意識した聖会が、連年、開催され継続されるようになる。北海道ケズィック・コンベンションは、一八七五年にイギリスで始まった超教派の聖会に由来するが、北海道では定家都志男(さだいえとしお)(月寒教会牧師)らが主唱して、昭和四十年(一九六五)に第一回が開催され、〝より高いキリスト者の生活〟をめざして平成十六年三月に第三八回が開催された。また、大衆伝道者でもあった本田弘慈(こうじ)(神戸中央教会名誉牧師)が主唱した聖化大会が、札幌でも平成元年(一九八九)から札幌聖化大会として開催され、〝潔(きよ)め〟を強調するウェスレアン・ホーリネス系の教会(ナザレン、インマヌエル、日本イエス・キリスト教団羊ヶ丘各教会など)によって継続されている。
 このような聖会は、主として日本福音同盟(JEA)ないし日本福音連盟(JEF。多くはJEA加盟団体と重複)に加盟する諸教会によって担われてきた。伝道集会でも昭和四十九年(一九七四)に、「ジャネット・リンと共に福音を聞こう」集会が札幌市民会館で開催され、三夜で三八〇〇人が参加する集会となったが、これを担ったのは主としてJEAなどに加盟する諸教団の教会であった。JEAなどに加盟の教会は、四十九年に京都で開催された日本伝道会議のあとを受けて、その北海道版として昭和五十九年十月に北海道伝道会議を定山渓で開催した。同会議は、「北海道をキリストへ」というスローガンのもとで伝道方策を練るものであった。札幌においてもウェスレアン・ホーリネス系の教会と日本福音キリスト教会連合、OMF系の教会が、戦前来の諸教団・教会とは異なるまとまりを見せ、宣教活動を展開した。