日本には古代から山岳信仰がありますが、それは「火山国」だからではないでしょうかと述べ、そのわけを記しています。『天明信上變略記』に「高山は神を祭る事和漢共に同じ、富士に祭れる浅間の社は、木花開耶姫の命なりといふ」というが、神社はどこにあるのか。
小諸町の山田辨道が明治三年に記した「大浅間神社大意書」と「大浅間神社の遺跡を捜索る議」を示しています。遺跡と思われる地を浅間神社(一)から(五)まであげ、それぞれにくわしい説明を加えています。「古く社の有けるを、去ぬる天明三年に山の焼たりし時に失せたる儘にて、今は麓に朽たる鳥居のみ残れりと見え、又古史傳に、今は頂上少けき石宮あるのみと言はれたるは然る事ながら、其は彼の大焼前の事にて、其後はなかりける」からはじまる浅間神社の遺跡探しは、富士山信仰やいくつかの山岳信仰とのかかわりも述べています。