葦鷺図蒔絵櫃(あしさぎずまきえひつ)
[目録を見る] [ 宝物解説へ ] 櫃とは、蓋が上に開く大型の箱のことで、本資料は花見や紅葉狩りなど野外の行楽の折に器や料理を入れて運んだものである。蓋と隅切四角形の断面を持つ箱体で、胴の各側面に金色の打ち出し金具で飾った脚がついている。蓋と胴は黒漆地に金平目研ぎ出し蒔絵で、葦原から飛び立つ鷺を躍動感豊かに描いている。明快で力強い高台寺蒔絵の様式がみられるので、18世紀初期の作と思われる。
大名婚礼調度に例が少なく、家紋もつけられていない。また、勝興寺へ招来した年代や理由も不詳である。