解題・説明
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可愛らしい幼児姿の人形を御所人形という。元々は京都の御所方が贈り物の返礼として諸大名に贈った人形のことで、大内人形、拝領人形、土産人形とも言われる。この人形は手を挙げるなど動きのあるポーズの幼童であるが、前髪を整え、葵紋のついた衣服を着て座布団の上に座るなど威厳もあり、徳川将軍家ゆかりの児の健やかな成長を祈る人形だったと思われる。寺伝では、本徳寺から入寺した勝興寺第24代住職・尊弘の持参品で、尊弘の母・明寿は徳川家の大奥に長く奉公した後本徳寺に嫁した人であり、この人形はその母から譲られたものであるという。
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