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解題・説明
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正平九年(一三五四)十月三日、南朝の後村上天皇が峨山禅師に対して発したとされる綸旨の写しである。差出人は一条行房。總持寺の住職にに対し、仏法を盛んにして皇図の長久を永く祈禱するよう命じる内容で、總持寺の勅願所たる面目を伝える。 後村上天皇は神仏への信仰に篤く、また、瑩山禅師から仏祖正伝菩薩戒を付属された禅僧、孤峯覚明を尊信していた。本綸旨が降された同年三月には、覚明の仲介によって瑩山禅師に対し仏慈禅師の諡号がなされようとしたが、峨山はこれを辞している。ただし、仏慈禅師諡号に関しては、永光寺に遺る平成八年十二月の口宣案が正分であるとの研究あり、本綸旨も、多角的な検討を要する。
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