八王子市/桑都の杜デジタルアーカイブ

受うけ継つがれる技術ぎじゅつ 南多摩みなみたまのメカイづくり

メカイってなあに?

先生のイラスト
メカイは、シノ(アズマネザサ)を細ほそく割わって編あんで作つくる、昔むかしの人ひとが使つかっていたざる(かご)です。
八王子はちおうじ市しなどの南多摩みなみたま地域ちいきで作つくられてきました。
編あみ目めは六角形ろっかっけいになっていて、とても丈夫じょうぶで壊こわれにくいのが特とくちょうで、とても使つかいやすいことからずっと大切たいせつにされてきた道具どうぐです。
特別とくべつな職人しょくにんでなくても、練習れんしゅうすればだれでも作つくれるようになるので、昔むかしの農家のうかでは家族かぞくみんなで作つくることもありました。
そのため、メカイづくりの技術ぎじゅつは、暮くらしの中なかで自然しぜんに受うけつがれていきました。
また、メカイはすべて自然しぜんの材料ざいりょうでできています。山やまや林はやしのある里山さとやまに生はえているシノを使つかうため、人ひとの暮くらしと自然しぜんが深ふかくつながっています。
このように、メカイはただの道具どうぐではなく、昔むかしの人ひとの知恵ちえや生活せいかつのしかたを伝つたえる大切たいせつな文化ぶんかでもあります。

メカイの写真メカイの写真

どんなことに使われていたの?

先生のイラスト
メカイは、昔むかしの人々ひとびとの生活せいかつの中なかでいろいろなことに使つかわれていました。
たとえば、畑はたけでとれた野菜やさいや作物さくもつを入いれて運はこんだり、水みずで洗あらったりするときに使つかわれました。
また、台所だいどころでは食たべ物ものをあつかう道具どうぐとして使つかわれ、料理りょうりの下したごしらえにも役立やくだっていました。
産業さんぎょうの場ばでは、お茶ちゃを作つくる作業さぎょう(製茶せいちゃ)や蚕かいこの飼育しいくなどの仕事しごとにも使つかわれてきました。
メカイはシノでできているため、軽かるくてじょうぶで、水みずや熱ねつにも強つよいところがあります。
水分すいぶんがないので虫食むしくいがしづらく、丈夫じょうぶで長持ながもちします。
そのため、何なん度どもくり返かえし使つかうことができ、長ながい間あいだ大切たいせつにたくさん使つかわれてきました。
また、メカイは生活せいかつの道具どうぐであるだけでなく、収入しゅうにゅうをえるための商品しょうひんとしても大切たいせつでした。
農家のうかでは、冬ふゆの仕事しごとが少すくない時期じきにたくさんのメカイを作つくり、町まちに売うりに行いっていました。
とくにお正月しょうがつには贈おくり物ものにされることもあり、たくさん作つくられていたのです。
このようにメカイは、生活せいかつを助たすける道具どうぐであると同時どうじに、人々ひとびとの仕事しごとやくらしを支ささえるものだったのです。

昔の写真(メカイを作っているようす)運ぶために連結したメカイの写真

どうやって作っていたの?

先生のイラスト
メカイづくりは、主おもに農家のうかの家いえの中なかで行おこなわれていました。材料ざいりょうとなるシノは、冬ふゆに山やまから切きり出だして作つくります。冬ふゆになるとシノに水分すいぶんが少すくなく、材料ざいりょうを作つくるための加工かこうがしやすくなります。
切きってきたシノは、専用せんようの道具どうぐを使つかって細ほそく割わり、表面ひょうめんの部分ぶぶんをうすくはぎ取とって「ヘネ」という材料ざいりょうにします。
この細長ほそながい材料ざいりょうを交差こうささせながら編あんでいくことで、メカイが作つくられます。
シノを編あむときには乾かわかないように水みずをかけたりして、やわらかくすると編あみやすくなります。
まず底そこの部分ぶぶんを編あみ、そこから少すこしずつ側面そくめんへと広ひろげていきます。
この作業さぎょうには、ていねいさと根気こんきが必要ひつようです。
家族かぞくで分担ぶんたんして作業さぎょうを行おこない、子こどもたちも大人おとなの作業さぎょうを見みながら少すこしずつ覚おぼえていきました。
こうした工夫くふうにも、昔むかしの人ひとの経験けいけんと知恵ちえが生いかされています。

メカイの材料を作っているようすメカイの材料を作っているようす

メカイづくりの今

先生のイラスト
今いまでは、メカイを作つくれる人ひとは少すくなくなりましたが、昔むかしから伝つたわるメカイづくりを大切たいせつにし、次つぎの世代せだいへ伝つたえていくために活動かつどうしている人ひとたちがいます。
この人ひとたちは今いまも材料ざいりょうとなるシノを里山さとやまから自分じぶんたちで切きり出だして作つくり、メカイを作つくり続つづけています。
この作業さぎょうは、ただ材料ざいりょうを作つくるだけでなく、里山さとやまの自然しぜんを守まもることにもつながっています。
シノが増ふえすぎると、ほかの植物しょくぶつが育そだちにくくなるため、適度てきどに切きることで自然しぜんのバランスを保たもつことができるのです。
また、体験たいけん教室きょうしつや実演じつえん会かい、学校がっこうでの授業じゅぎょうなども行おこなっています。
実際じっさいに見みたり触ふれたりすることで、メカイづくりの楽たのしさや大切たいせつさ、そして自然しぜんとのつながりを学まなぶことができます。
こうした長年ながねんの取とり組くみが認みとめられ、「南多摩みなみたまのメカイ製作せいさく技術ぎじゅつ」は2023年ねんに東京とうきょう都との指定してい無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざい(民俗みんぞく技術ぎじゅつ)に指定していされました。
2026年ねん現在げんざい、東京とうきょう都とでは唯一ゆいいつの民俗みんぞく技術ぎじゅつの文化財ぶんかざいです。
メカイづくりを知しることは、昔むかしの道具どうぐや昔むかしの人ひとの工夫くふうを知しるだけでなく、自然しぜんの材料ざいりょうを生いかすことや、物ものを大切たいせつに使つかう心こころを学まなぶことにもつながります。
これからも未来みらいへ伝つたえていきたい、八王子はちおうじ市しや南多摩みなみたま地域ちいきにとって大切たいせつな技術ぎじゅつです。

里山の風景里山の風景環境フェスティバルの様子環境フェスティバルの様子

メカイの作つくり方かたを動画どうがで見みよう!