解説
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本書「乾」の巻は、初編・2編を、「坤」の巻は、3編・4編を合冊にしたもの。 「宴遊日記」:江戸時代後期の料理屋、鳥越にあった八百善の風景。柳沢信鴻一行は、大抵茶屋で軽い食事をするので、享保19年(1734)刊『金龍山浅草千本桜』挿絵における「店先で腰かけて茶を一服する」という光景より、こちらの料理茶屋の方がよりイメージに近いと思われる。 「馬琴日記」:鳥越にあった料理屋・八百善の料理本。酒井抱一、葛飾北斎、大西椿年、渓斎英泉など当時有名絵師が料理の食材や店の外観などの挿絵を手掛けた。展示箇所は、英泉が描いたウドとシジミ。まるで生きているかのようなウドの表現が秀逸である(前期)。展示箇所は、英泉が描いたクワイとレンコン。通常レンコンは横たわらせる構図を選ぶのに対し、縦画面にあわせて立ち上がった姿が斬新である(中期)。鳥越にあった料理屋・八百善の料理本。酒井抱一、葛飾北斎、大西椿年、渓斎英泉など当時有名絵師が料理の食材や店の外観などの挿絵を手掛けた。展示 箇所は、椿年が描いた鯉。食材というよりは、川で泳ぐ写実的な鯉の姿を描く。椿年の代表作には、浅草寺絵馬「神馬図」がある(前・後期)。
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