解説
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「定点写真と台東区の風景」:新しく切り開かれたためか、道幅が広くとられている。しかし、実際には『新撰東京名所図会』のように、切通坂と称した方がいいぐらい両側の崖は迫っていた。本図は、頂上付近を描いたのであろうか。そうであるならば、現在の区立忍岡中学校付近であり、定点の地点番号6「新坂(忍岡中学校横)」そのものといえる。新坂は鉄道をまたぐ跨線橋のため、事実上消滅してしまったが、忍岡中学校前は現在でもなだらかな坂道を形成している。 「貴重資料から見る台東区の道」:浅草並木町(現在の雷門)生まれの浮世絵師・井上安治による全134点のシリーズの1枚。明治時代初期の鉄道が敷かれた頃は、新坂を下りてすぐ踏切があったため、今より坂の傾斜が急だった。鶯谷駅が明治45年(1912)に開業するのに合わせて、線路をまたぐ橋が架けられた。
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