|
解説
|
「台東区の橋」:御厩河岸は浅草三好町と対岸の南本所石原町を結ぶ隅田川の渡し舟場であり、その冬の情景を表現している。舟の上の二人は「夜(よ)鷹(たか)」と呼ばれた最下級の私娼で、濃い化粧で表現されている。
中景には行き交う渡し舟が描かれている。御厩河岸は浅草界隈への入口であり、多くの人に利用されていた。
「地誌の見方・調べ方」: 浅草三好町(現、蔵前2丁目)から本所藤代町(現、墨田区両国1丁目)までをつないだ隅田川の渡し舟の風景。同じ作者である初代広重が描いた『絵本江戸土産』の「椎の木屋敷」や「駒留橋」も描かれている。
左の渡し舟に乗るのは、「夜鷹(よたか)」と呼ばれた野天や仮小屋で売春した女性たち。夜に商売をするため、夕暮れ時に繁華街に近い浅草を目指していると考えられる。『江戸名所図会』では生業(花売り、船頭)が描かれ日中の日常のありふれた風景であったが、こちらも夜の日常の生業を描いたといえよう。
|