解説
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「吉原細見の世界Ⅱ」:初代広重の代表作「名所江戸百景」シリーズの一つ。華やかな桜見物で賑わう図(2017_u_005など)が多いなか、夜明け前の静寂な空間を描いた秀作。雲英摺(きらずり)という技法で印刷され、夜空の星をイメージした微細な雲英粉が角度によって光るのがわかる。まもなく夜が明けるという時間的経過を、青色のグラデーションで表現している。
「吉原細見の世界Ⅲ前編」:初代広重「名所江戸百景」シリーズの一つ。雲英摺(きらずり)という技法で刷られ、夜空の星をイメージした微細な雲英粉が角度によって光るのがわかる。
中央に描かれているのは町の入口である木戸門で、ここから先の通りを挟んだ両側は、妓楼が立ち並ぶ町である。町の名は不明であるが、桜並木がまだ東西に続いていることから、西端の京町を除いた町のどこかである。広重は「江戸名所之内 新吉原春曙の図」で、既に角町の木戸門の情景を描いており、同じく角町を描いた可能性も高い。
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