高山城下町絵図(第5図)

高山城下町絵図[目録]


 金森氏の城郭各曲輪名称が他の絵図と異なり、本丸が本城、二之丸屋形が本丸、庭樹院殿屋敷が二之丸と記されている。また城内の井戸が青丸で記され、家臣大塚権右衛門宅裏手の井戸から二之丸(この図では本丸)へ青線が引かれるが、これは湧水量の多い大洞地区から水を送った水路である。
 金森左京の屋敷は江名子川の右岸に所在するほか、空町の島川原にも見え、さらに錦山方面江戸道沿いにも旧屋敷があった。
 また御下屋敷は2カ所あり、中橋西側の御下屋敷(現高山陣屋)附近に米蔵・材木蔵・桶小屋・御作事所・馬屋等の名が見える。
 北側の大新町方面に町家の区画が記されるが、間口に対して奥行の長い敷地である。図右上の書き込みには「城山拾三町六反六畝二十歩、但本丸四十六間半 十三間半 反別二反二十八歩、二丸百七十間半 三十四間半 同一町三反三畝五歩、城山続毛無山百五十間 百二十間半 同六町三反二十七歩、同草刈場百間 六十二間半 同二町八畝二十畝、城山続草刈場百間 九十間 同四町歩」とある。この図は二木家旧蔵で、森・平田家にも同種の図が伝わる。