[『伊能図集成「大図」「小図」』「大日本沿海輿地全図」小図(第26図)]

「大日本沿海輿地全図」小図第26図
[目録]


 第26図は、刊本『伊能図集成「大図」「小図」』に掲載される「大日本沿海輿地全図」小図で、「五畿内 東海道 北陸道 東山道 部分図」である。原図の縮尺は43万2千分の1で、小図の縮尺は大図の12分の1にあたり、全国を3枚でカバーする。刊本の図はその原図の一部を印刷図版としており、本絵図では第26図に掲載した。第26図を見ると、御嶽から赤い線が観測点に伸び、阿多野郷、高山町、東濃、西濃から御嶽への方位を計測したことがわかる。この方位計測は、街道の距離計測、緯度、経度の観測結果をまとめて図化する際の、誤差修正に役立っており、伊能図の精度が高まっている。
 伊能忠敬らの測量隊は、寛政12年(1800)からあしかけ17年にわたって測量をしているが、飛騨へ測量に入ったのは文化11年(1814)第8回測量で、第2次九州および中国・中部内陸が対象となった。