解題・説明
|
明治期の資料には村政に関するものも含まれているが、大半が家政に関するものである。江戸から明治へと世の中が大きく変動する中、仲村家もまた酒造業から他業種へと家の経営を転換させていくようすがうかがえる。蔵書においても、明治期になると会社関係の刊行物、とりわけ株式会社の定款・営業報告が比較的まとまっており、株主としての顔がうかがえる。 河陽鉄道株式会社は明治29年(1896)の設立で、明治31年3月に柏原―古市間が開通、同年4月には古市―富田林間も開通し、これによって富田林と大阪が鉄道で結ばれることになった。河陽鉄道の設立にあたり明治27年12月に出された願書には、当時の仲村家当主一郎(安政2年生まれ、幼名時之助)も設立発起人の一人として名を連ねている。
|