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解題・説明
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永山本家酒造場事務所(旧二俣瀬村役場庁舎)は、宇部市の北部二俣瀬地区の車地にあり、現在は株式会社永山本家酒造場の事務所として使用されていますが、建築当時は当時の二俣瀬村(昭和29年 宇部市に編入)の役場として使用されていた建物です。 旧厚狭郡二俣瀬村は明治22年(1889年)に施行された市町村制により木田・山中・車地・瓜生野・善和の五か村が合併して成立した村で、該当の建物は昭和3年(1928年)10月3日に昭和天皇の御大典の記念として建てられたものです。 本建物は、木造2階建て、切妻造り、桟瓦葺、モルタル塗りの総2階建洋風建築の建物で、厚東川の左岸旧道沿いに建っています。外壁は石造風に目地を切ったモルタル塗りとし、正面中央玄関上部にペディメントを設け、石造風の左右対称形の建物の中央部と両隅部に、人造石による柱形を付し、その間のモルタル塗りの壁面に縦長の窓を納めています。建築当時、1階内部は役場事務室、村長室、収入役室、炊事場が配置されており、2階は議場となっていました。 明治後期以降の町村役場の建物は、1階を役場、2階を議事堂とする形式が定着していましたが、この形式の建物が残存している例は山口県下でも数少なく、宇部市内においては本例のみです。また、2階議場に残る階段の手すり、親柱、アールデコ調の天井飾り、上げ下げ窓などが建築当初に近い状態で保存されていて貴重です。 太平洋戦争後の昭和29年(1954年)に二俣瀬村が宇部市と合併した後は、宇部市の二俣瀬の支所として使用されていましたが、昭和40年に永山酒造が土地・建物を買い取り、事務所として使用して現在にいたっています。
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