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解題・説明
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本樹は宇部市立東岐波中学校の表玄関先に植栽している大型の雌株のソテツです。樹高6.20m、目通り幹囲は1.7m。株数は一株ですが、中央の主幹から四本の支幹が分枝しています。樹齢は約650年と推定され、国内の指定文化財のソテツと比較しても大きさ、樹齢ともに屈指のものです。 元は江戸時代の東岐波村の庄屋であった部坂家(へさかけ)の旧宅であった「東明堂(とうめいどう)」に自生していたソテツでしたが、昭和31年(1956年)3月に部坂家の当主より寄贈され、現在の東岐波中学校前に移植されました。部坂家は安芸国の豪族で、江戸時代初期のころには岐波の地に土着しており、宝暦年間以降は歴代当主が庄屋職を勤め、丸尾崎港の運営や農業土木開発などの事跡を残し、近世以降は一貫して岐波村の村政に関与する存在でした。 ソテツは、ソテツ科ソテツ属の常緑低木で、九州南部や沖縄などの海岸や急斜地に見られる樹木です。ソテツの和名は枯れそうになったときに鉄分を与えれば回復することに由来するそうです。
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