解題・説明
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中国の歴史書「宋元資治通」「明朝記事本来」の中から外交の任にあたった人の記録を、吉田松陰が抄録し批評を加えたもの。吉田松陰27歳の時の著作。外国との外交問題で日本国内が紛糾していた幕末を背景に、模範とすべき事績を指し示すとともに、国家の対面を傷つけた例も載せ、使臣のあるべき姿を中国の史実から説いている。吉田松陰自筆の原本は現存しておらず、高杉晋作による写本が「春風雑録 第四冊」に残されているほか、松下村塾で発行された版本が有る。『吉田松陰全集 第10巻』(山口県教育会編 大和書房発行 1974)に収録されている同書は、高杉晋作による写本と「慶応四年晩春刻成」と奥付の有る松下村塾版を参考に翻刻されている。
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