解題・説明
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オランダの歩兵教練書(1857年版)を訳し4冊に分けて長門練兵場で出版された歩兵教練書のひとつ。西洋式戦闘術の散兵戦術を学ぶために長州藩で使われたテキスト。散兵教練のほか散兵略解、散兵合図鼓譜を収録。慶応2年に起こった幕長戦争(四境戦争)において、長州藩は散兵戦術を駆使した。散兵とは兵士を密集させずに、兵士同士を適当な距離をおいて散開させ戦う術で、長州藩以外にもこの戦術を使っていたことが史料に見える。しかし、長州藩の兵士は充分に散兵術の戦法を習熟していたといわれ、このテキストのほか「大隊」「生兵」などの教練書が長門練兵場で発行されている。
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