説明
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球磨川は日本三大急流の一つです。深い谷に刻まれた河岸は多くの岩が露出しています。川の中に突き出た岩も多く見られます。このような場所には背丈の低いトダシバやススキが優占します。その中でも流水に耐えられるような環境に適応した植物たちが、長い時間をかけて作り出され、クマガワリンドウもその1つであると思われます。流水に耐えられるようなしなやかな茎を持ち、20~30cmに伸びた茎は斜めに倒れ、花の時期には葉の間からいくつもの花茎を伸ばし、水色から紫青色の花を岸辺に咲かせます。これまで幾度となく洪水に適応して生きながらえてきたのに、令和2年7月豪雨には耐えられず、多くが失われました。残った僅かな株が種子をつくり、その子がしっかり根付き、広がっていけるよう見守りたい植物です。
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