解題・説明
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在郷町(ざいごうまち)大橋・行事の中心部を描いた見取図で、家屋に書き込まれた住人の名から慶応4年(1868)製作と見られる。修理前の軸に小笠原家寄贈と外題が添えられていた。 図は大橋村、行事村、宮市村を色分けし、南北に走る中津往来と東西に流れる長峡川(図では行事川)に沿って発展した在郷町の姿が克明に描かれている。図中には郡の年貢を集積した御蔵所、藩主が領内巡察などのさいに利用した御茶屋などの公的施設、豪商の広大な屋敷や長峡川沿いに並ぶ多数の蔵などがあり、在郷町大橋・行事が政治的・経済的に地域の中心であったことを読み取ることができる。また道や寺院・神社などは現在も同じ場所に存在しているものが多い。平成17年に行橋市の有形文化財に指定された。 なお、この3村は明治22年(1889)に合併し、行橋町となった。さらに昭和29年(1954)に行橋町と延永村、椿市村、稗田村、今川村、泉村、仲津村、今元村、蓑島村の1町8村が合併し、行橋市が生まれた。
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