方角衆、道場寺に在陣

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 豊前国で大友勢に次の事件が起こっている。永禄五年八月二九日、毛利氏に対抗するため、佐田氏、時枝氏等の宇佐衆が西豊前に向かった時、大友方の有力者奈多鑑基は、宇佐衆が椎田(しいだ)(築上郡椎田町)に駐屯しようとした際、「椎田は奈多社(なたしゃ)領である」として退去を求めている。これに対して、戸次鑑連、吉弘鑑理の大友家年寄衆(としよりしゅう)連名で、九月一八日には椎田まで出張している宇佐衆など方角衆(ほうかくしゅう)に対して仲津郡道場寺(行橋市道場寺)辺に在陣して海陸の通路を固めるよう命じて急場を凌いでいる。大友方の足並みの乱れを見ることができる。