梅下佳人

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梅下佳人図

上村松園
「梅下佳人」(ばいかかじん)
 
 中国の故事に登場する梅の精「羅浮仙(らふせん)」を描いた作品です。白く澄んだ肌や、口元にたたえた微笑、ほころび始めた梅を思わせる配色の衣装によって、この世の者ならぬ清らかで芳しい梅の精が描き出されています。
 作者の上村松園(1875-1949)は京都に生まれ、幸野楳嶺、竹内栖鳳らに師事しました。気品に満ちた美人画を描き続け、女性としてはじめての文化勲章を受章しました。本作を手がけた大正期には中国の古典を主題とした作品を多く描き、伝統的な題材のなかで、自身が求める「清澄な」美人画を追求しました。落款の「棲霞軒」とは、師である竹内栖鳳が名づけたアトリエの屋号で、松園はこの落款を支那風画の大作や改まったときに用いたといいます。
 
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