春夏双幅

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春夏双幅(夏)  春夏双幅(春)

橋本雅邦
「春夏双幅」(しゅんかそうふく)
 
 春と夏の情景を描いた二幅一対の作品です。春の幅は、穏やかな海を眺める老人と貝拾いをする子どもが描かれ、柔らかな空気を感じさせます。一方夏の幅は、墨のぼかしで表現された雨のなか、網や竿を背負った漁師たちが足早に歩く場面が描かれます。どちらも物語性を感じさせる作品です。
 橋本雅邦(1835-1908)は、狩野派を基礎としながら、西洋的な絵画表現を取り入れ、近代的な「日本画」の礎を築きました。岡倉天心のもと東京美術学校(現・東京藝術大学)を設立し、絵画科主任として横山大観や下村観山、菱田春草らを育成、日本美術院創設にも参加しました。1900年パリ万国博覧会にて銀牌を受賞しています。
 
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