維摩居士像

作品一覧画面へ

維摩居士像

山崎朝雲
「維摩居士像」(ゆいまこじぞう)
 
 古代インドの裕福な商人で、釈迦の在家の弟子であった「維摩居士」を表した木彫作品です。唯摩居士は世俗にありながら仏教の教義を極めた人物で、維摩を見舞う文殊菩薩との問答が『維摩経』に記されています。
 作者の山崎朝雲(1867-1954)は、筑前博多の陶工の家に生まれました。地元の仏師・高田又四郎のもとで修業したのち、高村光雲に師事し、伝統的な木彫に西洋彫刻の写実性を取り入れた作品を発表しました。
 本作でも、衣の下に老人の痩せた身体が確かにあると思わせるような、写実表現の巧みさが感じられます。
 
  ⇒目録を見る