|
解題・説明
|
夏目漱石の東京朝日新聞社入社をきっかけに、杉村楚人冠は漱石との仲を深めていった。この書簡は、漱石が管轄する文芸欄に、楚人冠独自の新聞観と言える「新聞紙上の印象主義」を寄稿してもらったことへの礼状である。書簡からは、楚人冠と漱石の不仲説が流されたことへの対応として、漱石が楚人冠に寄稿を依頼したことが読み取れる。また漱石は、「新聞紙上の印象主義」の内容に賛意を示し、無署名のイギリス国王追悼会の記事(「英皇弔祭式」)を「君(楚人冠)の書いたものではないか」としつつ、印象(主義)的な描写で記事として新しいと評しており、漱石が楚人冠の理解者であった様子もうかがえる。
|