解題・説明
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宮川信吉は近藤勇の従兄弟で、土方歳三の江戸での新選組隊士募集に呼応して入隊した。宮川の入隊した時期は、慶応元年四月廿七日であり、宮川と一緒に入隊した総数は五十三名であった。この者たちが、東海道を上り京に着いたのは、五月十日であった。 文中に、「此度、先生(近藤勇)始め其外三人斗り芸州迄御用二付出張二相成」とあり、さらに、「廿七日の朝京発二相成」とある。これは、慶応二年正月二十八日のことで、近藤勇、伊東甲子太郎、尾形俊太郎、篠原泰之進の四名が小笠原長行や永井尚志に先立って広島へ出張した。したがって。宮川信吉が京へ行き初めて迎えた正月の書簡であり、時期は慶応二年となる。 文中の貞一郎は、宮川音五郎の長男である。
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