寛保元年(1741)に日吉神社が山王大権現の称号を授けられた記念として、当時の住職順栄が神輿を新調し祭礼道具を揃えて明和4年(1767)9月19日に盛大な神輿渡御の式典を行った模様を伝える絵巻物です。
図絵は巻子仕立て[注1]で鳥の子紙[注2]8枚からなり、幅27.7cm、全長834.7㎝で全体に彩色が施されています。総勢260名余が祭礼行列に参加し、祭礼が神仏習合の形で行われていたことがわかる、きわめて貴重なものです。
[注1] 巻子仕立て …… 書籍の装丁として最初にできた形。巻物。
[注2] 鳥の子紙 …… 主に雁皮(がんぴ)を原料とし、光沢があり滑らかで緻密な肌合を持った手漉きの和紙。