安城市図書情報館/安城デジタルアーカイブ

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農政研究

「農政研究」は、大正11(1922)年に創刊された月刊誌です。当時、地主対小作の争議が全国的に広がり、社会の大問題として帝国議会でもしばしば取り上げられました。この社会問題を議論する場として国会議員、農政記者、学者たちが「大日本農政研究会」を組織し、機関誌「農政研究」を発行しました。その編集者兼発行責任者が、長野県出身の読売新聞の農政記者、古瀬傳蔵(ふるせ でんぞう)でした。同誌は、大正12(1923)年の関東大震災で発行が困難になった後も、古瀬は個人の責任で発行を続け、農政問題や農村更生運動などで論陣を張り、昭和15(1940)年の19巻まで継続しました。これが、農山漁村文化協会発行の雑誌「現代農業」の始まりです。(「農文協の雑誌『現代農業』の変遷」から引用)

同誌は、大正15(1926)年5月号で「日本の丁抹号」を特集し、特大号で発刊しました。山崎延吉の「日本の丁抹」の紹介など、碧海の農業と農村の姿と、それに果す教育の姿などを具体的に紹介し、この特集号をきっかけに「日本デンマーク」の言葉が全国に広まり始め、安城を中心とした碧海地域の農業や農村の姿を一目見ようと、見学者や視察者が全国各地から集まるようになりました。