資料説明
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ヒノキ材の寄木造の素地像で、像高は147.2cm。頭部と体の中央部分は両耳後を通る線で前後につなぎ合わされている。前面部分は正中線で割られ内刳を施された後につなぎ合わされる。また、両肩から両腕、両体側部、両足先等が別材でつなぎ合わされている。 螺髪は旋毛型に彫り出され、肉髻珠・白毫相が表わされる。耳朶は紐のように伸び、耳の孔が開けられ、衣は僧祇支・偏衫・衲衣を着け、裳をはく。両腕の肘を曲げ、左手に薬壺を持ち、右手は5指を軽く伸ばして立てている。 螺髪や目鼻や口の彫りが丁寧で、形式化に陥らない衣文の表現などに運慶風の様式が見られ、鎌倉時代初期から中期の、運慶の作風に学んだ慶派仏師による作品と考えられる。
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