資料説明
|
常灯寺は常世田薬師の名で知られ、江戸時代から明治時代までは東総の三薬師として隆盛をきわめた。この寺院は大和国の薬師寺で修行をした行基が開祖と伝えられている。 本堂は、草葺の寄棟造で桁行5間、梁間6間、正面向拝(ごはい)1間の仏堂であった。内部は表側二間通を外陣とし、奥に3間2間の内陣を設け、その奥に須弥壇(しゅみだん)を設け宮殿を安置する。宮殿は一間四方の大規模なもので、正面と背面に扉を設けている。また、内陣の両側と背後一間通は庇的な空間としている。 軸部は自然石の礎石上に丸柱を建て、柱上に台輪を置く。組物は唐様二手先で、中備に簑束(みのづか)を用いる。内外陣の境は舞良戸と格子戸を用いて仕切り、天井は格天井になっている。 宮殿は禅宗様出組に板蟇股を付け、本堂と同時期のものと考えられている。 建築年代は棟札から1673年(寛文13)であることが確認され、県内の江戸時代前期の密教系仏堂の代表例と考えられている。 平成26年に解体修理が行われ、修理後は茅葺きであった屋根は銅板葺きとなった。
|